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翌日の俺はコソコソ身を隠すのは辞め
正々堂々と待ち伏せする事にした。



司 「おいあきら!
学校行くぞ!
いつまで寝てやがる!」


あ 「はぁ?
おま…まだ6時だぞ!
こんな時間から学校行く奴
いないって!」



せっかくあきらを誘ってやったが
どうやら学校に行く時間はまだ先らしい。

仕方ねぇから時間まで
正門前のカフェで暇をつぶす事にするか。

オープンカフェのテーブルに着いて数時間後
漸く送迎の車が増えてきた。
牧野は駅から歩いて登校するから
方向も間違いないな。


駅から歩いて来た牧野から
俺が目に入る位置に座り直し
待ち構える。


8:30

続々と到着するリムジンの間を縫うように歩く
黒髪の女が見えて来た。

牧野は参考書を開き、ブツブツ言いながら歩いている。
相変わらずキョトキョトしやがって!
危なっかしくて駆け寄りたくなるが
もっと近くに来るまで我慢だ
……我慢



俺の横を通り過ぎる牧野は
分かってはいたが俺の方を見ようともしない。





司 「おい!
待て!!」



「キャー!
朝から道明寺様が見られるなんて!!」

「道明寺さん素敵っ!」

「どうかされましたか?」



俺の声に足を止めた牧野も
振り返りこっちを見たが
俺に群がる女共を見ると
そのまま踵を返し校舎に向かって歩いて言ってしまう。



司 「お前らに用はねえ!
おい待てっ……まき…のっ!!」






「「キャー!!!! F4勢揃いよっ!!!!」」





もみくちゃにされながら懸命に牧野を呼んだが
このタイミングで現れたあきらたちのせいで
俺たちの運命の出会いは振り出しに戻った。



司 「テメェあきら!
何でこんなに朝早くから学校来るんだよっ!!」


あ 「起こしたのお前だろー!」


総 「まあまあ
あきら。司の事だ。
ほっとけって。」





・・・・・





____ガチャ



司 「おい。」


類 「あれ?司?
何か用?」


司 「チッ
類には用はない。
非常階段で寝るとそのうち
干からびるぞ!」



このままじゃあの日に間に合わない。
牧野がこの学園内で居そうな場所は非常階段か図書館か裏庭だろうと目論んだが
そのどこにも居ない。


流石に教室に行くわけにもいかないしな。




「いらっしゃいませ!」

司 「………」

「お客様?何をお探しですか?」

司 「…もう1人のバイトは?」

優紀 「もう1人って……つくし?
あの…もしかしてつくしと同じ高校の方ですか?
でも制服じゃないし 先生?
つくしったらこんなイケメンの先生がいるなんて言ってたかな?」

司 「いや…」

優紀 「あっ…すいません!
つくしは今日、ファミレスのバイトなんですよ。」

司 「そうか。ならいい」

優紀 「あのっ……」



団子屋なら教室よりゆっくり話せるだろうと行ってみたが
今日はファミレスのバイトだと?

ファミレスでもバイトしてたなんて聞いた事あったか?


俺と牧野の運命の出会い
このままじゃ達成する前に戻っちまう。






「おい。俺だ。
お前に大切な指令をしてやる。
失敗は許さねえ。
いいな?」


俺はもう最後の賭けに出た。






・・・・・






ピロン

『配置完了しました。
ターゲット確認
間もなく到着』



手配した奴からの連絡が入る。

___そろそろだな。
これは絶対に失敗してはいけない。


俺は忙しなく暴れる心臓を抑えるように
携帯を握りしめた。



総 「__あははは
それまじかよあきら」

あ 「笑い事じゃねぇよ
まさか本気で俺と結婚する気とは思わないだろ?
俺高校生だっつの。」

総 「ちゃんと相手選べよな〜」

類 「……司さっきから何でそんなにソワソワしてんの?」

下らねえ話を聞き流しながら歩く。
間もなくだ。




牧野
許せ。
俺が必ず受け止める。






__キーンコーンカーンコーン



つ 「真木子ちゃん階段…!
え……!!!」

あの時落ちて来た女の腕を俺の手配したSPが掴むと同時に
偶然を装い牧野の背を押す。


真木子とか言う女に気を取られていた牧野は
無抵抗なまま俺に向かって落ちてくる。




身体が浮かび
フワリとスカートが翻る。

デカイ目をもっと見開き
俺に向かって降ってくる牧野は
お世辞でも美人とは言えない歪んだ顔をしているが
そんな気を抜いた表情も可愛い。

一瞬の出来事だが
俺の目にはスローモーションで
まるで腕の中に落ちてくる天使を捕まえるような神聖な物に感じた。




ポスン
と腕の中に収まった牧野は
軽くて
柔らかくて
とてつもなくあったけぇ

しかもいい匂い…………………



つ 「うぎゃっ!
すすすいませっん!!!」


やっと牧野を感じる事が出来たってのに
直ぐに我に返っちまって
色気のない声を上げ
エビみたいに後ずさりする。



あ 「おい司!大丈夫か?」

総 「危ないね君〜
司にそんな事して…謝るだけで済むと思ってる?」

つ 「でも私…誰かに押されて……!」



慌てて階段の上を見上げるがそこには誰も居ない。
当然だ。
俺がクラスメイトの女と纏めて消えるように指示しているんだ。



あ 「そんな事言って、本当は司に構って欲しいだけなんじゃないの?」

総 「ずいぶん積極的だねぇ。
ギャハハ‼︎
おい司せっかくだから1回くらい相手してやれよ〜」


つ 「……っ!!私はそんなつもりありません!
それなのに…あっ相手だなんてっ!
別にあなた達に興味ありませんからっ!」

あ 「ま〜たそんな見え透いた事言っちゃって。
司も黙ってないで何とか言ってやれよ。」

つ 「あの!道明寺さんですよね!
さっきから私謝ってるんだから許してくれてもいいんじゃないですかっ?」

司 「……あぁ。気にするな。
怪我はないか?」

総 「ほらね?司が謝ったところで許すはずが……え?
司何てった?」

司 「俺の事はいい。
怪我はなかったか?
一応病院で検査した方が良いかもしれいな。」

「「「…………はぁ?」」」

類 「司どうしちゃったの?」




あきらたちと言い合いをしている間も
俺の隣に立つ牧野に触れないようにするだけで精一杯で
中々言葉が出なかった。

だがよく見れば、少し足首が腫れている様に見える。
俺は何て事をしちまったんだ。

この世で1番大切な女に怪我をさせるなんて最低だ。


俺の発言に呆然とする奴らを残し
牧野を抱き上げる。

どうやら牧野も想定外の事に驚いた様で
俺に抱き上げられても抵抗もしない。

それにしても軽いな。
でも俺にとって誰より大切な守るべき女。

不安に揺れる瞳に俺だけが写っている。
その幸せを感じながら
俺は用意しておいた車に乗り込んだ。





つ 「___はっ!!!
ちょっと!何で車?!
ってゆうか!
ささささっきっ!
私の事…お姫様抱っこぉ!!!!」


車に揺られ始めて漸く現実に戻って来た牧野は
パニックに陥って
ギャンギャン喚いている。



司 「俺がちゃんと受け止められなかったから
お前怪我してんだろ?
今向かってるのは病院だ。
お前の怪我は俺の責任だから治療費は俺が出す。
これは遠慮したりする必要は無い。
詫びだから。
分かったら少しは落ち着け。」


つ 「そそそんな!
道明寺さんはちゃんと……あの……受け止めてくれました
怪我なんて…………イタッ!」


司 「ほら。足首捻ったんだろ?
悪かったな…怪我させたくなかったのに。
とりあえず氷当てとくぞ。」



俺が冷静に話せば、賢いこいつの事だ
ちゃんと受け止めてくれる。

俺は車内に常備されている氷をハンカチに包み
牧野の細え足にそっと触れた。


こんな細い奴を俺は周りをけしかけ
イジメさせたなんて
本当に最低だ。

こいつに「超最悪」って言われても文句言えねぇよ。


つ 「……っありがとうございます………
でも!でも何でこんなに親切にしてくれるんですか?
まさかこれも……罠?!」



司 「な訳あるか!
こっちがせっかく反省してるってのに…
大体、お前細すぎだろ!
いくらビンボー人でももう少し肉つけねえとその内ぶっ倒れるぞ!」

つ 「なっ!失礼な!
ちゃんと3食食べてますよっ!
そっちこそ金持ちだかってイイ物ばっか食べてたらその内成人病になりますよ?」


司 「人が親切にしてるんだから
少しは素直に受け止めろよな。」



牧野の怪我はただの捻挫で
1週間もすれば赤みも引く事が分かったが
嫌がる牧野をどうにか丸め込み
その日はバイトを休ませ家に送り届けた。


これで俺らの出会いも
少しはまともな記憶になったか?


少し足を引き摺りながら家に向かう牧野の後ろ姿を見つめて独り言ちる。


つ 「あのっ!!!
今日はありがとう!
ハンカチ洗って返しますから!!」

司 「気にするな!要らないなら捨てとけ。
ハンカチなんて売るほどあるからな。」

つ 「……金持ちめ…………」

司 「何か言ったか?」

つ 「別にっ!じゃあまた!!!」




そう言った牧野は顔中を緩ませてニカッと笑った。
あぁ……
これだ。



俺が会いたかった牧野の笑顔。




「じゃあまた!」か。
最高の挨拶ありがとう。
俺は年期の入った鉄の扉の中に入る牧野の背中をいつまでも見つめていた。





つくしちゃんの笑顔を見ることが出来た司くん。
初恋はゲット出来たの???



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おはようございます。

やっぱり司くん。
真正面からつくしちゃんに向き合っていきましたね。
コソコソしているのは司くんらしくない!!
それに、いつ現実に戻ってしまうか分かりませんからね。
善は急げ!!
ここでつくしちゃんの印象を変えなければ!!

階段から落ちる所はちょっと脚色しちゃいましたけどね。
でも前の事実とほぼほぼ変わらないから結果オーライですかね。

あの時とは違って優しい言葉をかけた司くん。
総二郎くんやあきらくんもびっくり!!
類くんは昔からなんとなく司くんがつくしちゃんを気にしているの分かっていたから、あまりびっくりしなかったかな~?

司くんが渡したハンカチをつくしちゃんは今でも大切に持っているのでしょうかね?
つくしちゃんは物を粗末にしないから持っているとは思うのですが、単にあの時司くんが渡してくれたものとして持っているのと、司くんのことを思って持っていてくれてるのとでは少し意味合いが変わりますよね。
現実に戻った時につくしちゃんの気持ちはどの位変化しているのでしょうかね。
でもでも、つくしちゃんの初恋はやっぱり類くんがいいな~(笑)
なんて、司くんごめんね。
類くんが初恋の方が嫉妬して可愛い司くんがたくさん見られるんですもの~!!(笑)
  • |2019.09.11(Wed)
  • |スリーシスターズ
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  • EDIT

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コメントありがとうございます♪

スリーシスターズ 様☆


そうですね!
司くんには影からコッソリなんて似合わないですもん(*≧∀≦*)
ちょっと正々堂々とは……言えませんがw
頑張りました!!

一応(?)中身は1番大人で、つくしちゃんの扱いも上手です♡
そんなところも彼女には素敵に映ったと思いたい…
つくしちゃんは良い所をちゃんと見てくれる子ですから
きっと司くんに対する気持ちも変わったでしょうね。

類くんに嫉妬してムキーっとなる司くんは確かに可愛い(//∇//)
たとえ初恋ゲット出来ても、きっとつくしちゃんと類くんの深い友情はきっと変わらないので
2人への嫉妬心も変わらないんじゃないかとも思いますw

果たして司くんの目標は達成できたんでしょうか?
お互い初恋になれば…なんて可愛い彼の希望♡
叶ってほしいです(*´ω`*)
  • |2019.09.11(Wed)
  • |lovetsukoshi
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