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どうやら俺の目論見は外れたらしい。

牧野と共に授業に出てカフェテリアに戻ると
人だかりが出来ていた。


「なにやってんだよ」

俺が声を掛けると、サッと真ん中に道が出来る
その先に、総二郎、あきら、……三条

そして、掲示板には写真

くそっ!!撮られた後だったか!!

「司」

あきらが心配そうに声をかけてくるが
俺は迷わず写真を手に取った

そういやあの時、何で犯人がわかったんだ?

「なぁ、総二郎」

「…どうした?」


写真を隅々まで見てみる。
当時はショックできちんと見なかった
今だって、見ていい気はしないが
そんなこと言ってる場合じゃない

「道明寺さん、そんなに見たら」

腕に触れようとする三条を睨む
犯人は解ってんだよ

「この写真、おかしいよな?」

「…え?ああ」

総二郎の言葉に頷いてからこの場にいるやつら
全員に向けて俺は言葉を放った。

「良いか、お前ら牧野に指一本でも触れてみろ
ただじゃおかねぇからな。この中に、牧野を陥れたやつがいる!!ソイツを探し出せ!!
アイツを傷つけたら、俺が許さねえ」

ざわざわと牧野の悪口を言っていたやつらが
シ_ン……と静まり返った。


「そんなの、牧野先輩は道明寺さんを裏切ったのに!!!」

この期に及んでまだいいやがるかこの女!!

「黙れ。俺は誰が何と言おうとアイツを信じる」

「……道明寺」

声が聞こえて振り向くと、今にも泣きそうな牧野が立っていた。

「なんて顔してんだよお前。つか、どこ行ってた?」

俺は動けなくなっている牧野の頬に触れた。

あの時お前は、車に引きずられてボロボロになってた。でも、そんな事はどうでもいいと
俺さえ信じてくれたら良いと言った。
なのに……俺はあの時
お前じゃない女の手を取った。

恋人同士でもなけりゃ、俺はお前に対する気持ちすら自覚してなかった
なのに、一人で舞い上がってお前を巻き込んで

「……あのっ」

「言わなくて良い。言ったろ?お前は俺が守る」

二度と同じ過ちは繰り返さない。

全員が見てる前で抱き寄せて、その背中を
ゆっくり撫でてやる

俺は、お前の味方だ。
類が居なくなって回ってきた役目だった。
密かに憧れていた、お前の類に対する絶対的信頼

でも、何となく解ってた。

アイツも俺と似てるけど
類はいつも、誰の味方でもなければ
敵でもなかった。

その上で、コイツのことだけは助けていた

身勝手にも傷付けてしか来なかったのに
俺が優しくすればお前だってと思ってた

そんな簡単に心変わりする女じゃねえから
惚れたのに

抱き寄せた手に力を込めた。
大人しくされるがままになっている牧野の耳に息を吹き掛けてみる

リンゴみたいに顔を赤くして俺を見上げるから
思わず笑ってしまった。


これで、牧野に手を出すバカはいねえはずだ

俺が本気だと伝わればいい。
騙されてバカだと笑うなら笑え

お前らから何と思われようがどうだって良いんだよ

だよな、牧野

周りじゃない。
お前だけが見てくれさえすれば
俺は何時だって………
















車がゆっくりと牧野のバイト先の前で停まった。

本人はさっき泣いたせいでちょっと目が……

「お前、それでよく人前に出れるな
ひでぇ顔だぞ」

目蓋は腫れてるし、瞳も充血してる
そりゃ俺から見れば可愛いが
事情を知らねぇ人間が見たら何事かと思うぞ

「う、うるさい!!アタシは桜子みたいに美人じゃないもん!!何よ……」

ふんっとそっぽ向いた牧野
何か、誤解してないか?

「何お前、妬いてんのか?」

「ばっ!!何でアタシが!!」

ふーん。と俺が笑えば「何よ、ニヤニヤして…気持ち悪い」とほざくこの女

「きもちわるぃ?!お前それが未来の夫にいうセリフか!!」

「何でアンタがあたしの夫になるのよ!!
天変地異が起ころうともねそんな事は絶対!!あり得ない!!」

言った勢いのままに車を降りた牧野が扉を閉める前に振り返った

「でも、今日は、ありがとう……信じてくれてうれしかった」

不意打ちのお礼
俺だけに向けられた笑顔に胸が高鳴る

あぁ、やっぱりズルい女
俺を天国にも地獄にも連れていける人間は
この世でお前だけだ。

「牧野!!」

車の窓を開けて名前を叫ぶと、長い髪を風に靡かせながらアイツが振り返った。

「俺は!!お前が最高に可愛いからな!!!」

「は?!ちょっと!あんた本当に頭可笑しいんじゃないの?!」

ゆでダコみたいに顔を真っ赤にしたアイツの声を聞きながら「行け」と運転手に命令し俺は目を閉じた。


ずっとこの世界でも良いかもしれないとすら思う

だけどそれじゃ、ダメなんだ。

アイツの過去も未来も全てオレのモノだ、
根本的な所から解決していかねーと……


「って全然解決してねえじゃねえか!!おい!引き返せ!!くそっ!!何でポケベルしかねえんだよ!不便すぎんだろ!!おいチンタラ走んな!あきらと総二郎捕まえろ!!」

「ひいいいっ!!すみません坊っちゃんんんんっっ!!」

「貸せ!俺が運転した方が早い!!」

「そ、それだけはご勘弁を!!ひいいいっつ!!」


「ヒイヒイうるせえ!!」


あのサイボーグの狙いは俺達だ
牧野はあくまで道具に過ぎない

「くそっ!あの場で取っ捕まえりゃよかった!!」










「お前の家にもあるだろうよ。アルバムなら」

青山のクラブで捕まえた二人を引きずって
あきらの家で初等部と幼稚舎のアルバムを見る

「どっちだ。どっちにいる」

「……司、お前、なんか知ってんのか?」

「は?何が?」

あきらの質問に顔を上げれば、二人が心配そうに
俺を見ていた。

思えばこいつらの余計な行いのせいで
何度もひどい目にもあったが
いつも俺達を助けようとしてくれたのも事実だ。

大半が冷やかしだったけどな

「…話せない。でも、牧野は無実だ」

あきらと総二郎は互いの顔を見てから
俺に向かって笑う

「男とヤってりゃもーちょい、色気がねえとおかしいもんな」

「アイツの身体に反応する男がいるかも怪しいぜよ」

「それ以上言ったら殺すぞ」

「「あ……」」

あってなんだよ!!
アイツは可愛いだろうが!!
まぁ、その魅力を知ってるのは俺一人で充分だ

考えながら次のページを捲った時

「居た」

__三条桜子


「……あれ、これ、司を好きって言ってた女じゃね?」

あきらの言葉に古い記憶を手繰り寄せる
なんか、そんな女が居た気がする

「覚えてねえよ。イチイチ」

「司に限らず俺らに惚れてる女なんて腐るほど居たしな」

「その中で本当に腐ったのがコイツか」

オレの言葉にあきらと総二郎が苦笑いする

「行くぞ」

「行くぞ…ってどこにだよ」

「決まってンだろ。コイツらの三条家(アジト)だよ」

アルバムを掴み、あきらの家を出る
牧野に降りかかる火の粉の原因が俺なら
全部俺が振り払ってやる。









「三人揃って来てくださるなんて
桜子とっても嬉しいです。」

ニコニコしながら茶を並べる三条
何が入ってるか解らねえから飲めたもんじゃねえ

「それにしても、牧野先輩には驚かされました
あれから何か解ったんですか?」

「お前さ、俺らとタメだろ」

「え……なにを」

澄ましたお嬢様の鉄仮面を剥がすときだ

「牧野に手を出すのは筋が違うだろうがよ」

最初は動揺していた三条だが
ある意味度胸があるのか、フッと冷たく笑った

「随分、彼女がお気に入りなんですね」

「お前にも何れ理由がわかる。牧野と写ってた金髪はどこだ」

「……トーマスがここに居ることまで知ってらっしゃったんですか。口が軽いのねあの人」

「俺をバカにすんなよ。牧野になんざ聞かずともそれくらいすぐにわかんだよ!!」

ビクッと肩を震わせた目の前の女は
立ち上がると俺への恨み辛みを叫びだした。

総二郎とあきらが止めようとするのを制して全て聞く

「……何とかいってよ!!」

「悪かった。これでいいか?」

「そんな……呆気なく」

涙を流しながら膝から崩れ落ちた女に
やはり何の感情も湧かない。
これがアイツなら抱き締めてやりたいと思うのに

「牧野に、次なんかやったら容赦しねえぞ」

三条の婆さんに、金髪を呼びにいかせ
念のためにコイツらの2ショットを使い捨てカメラで撮る

「なぁ、あれで良いのかよ?」

総二郎が確認するように
三条家の門を潜った所で訊いてきた

「いい」

「なんか、らしくねーな。マジどうした司」

「うっせ」

あいつは無事に家に帰れただろうか。
二人を残して迎えの車に乗り込み、牧野の家に行くように指示を出した。


出てきた牧野の母ちゃんが、アイツは疲れて寝てると教えてくれた。
起こさなくて良いと伝えると今度こそ邸へ帰る

翌日、一睡もせずに学校へ行けば
誰かが三条の整形をバラした。

皆から責められ泣き崩れた三条の前に
牧野が立つ。

「あんたらだってお金で買いたいもんかうでしょーよ!!桜子をせめる権利、あんたらにあるワケ?!言ってみなさいよ!!」


どこまでもお人好しでカッコいい最高の女
俺は、やっぱりお前じゃなきゃダメだ。

全てが解決した安堵からか、途端に目蓋が重くなっていく

近くにあった椅子を引いて座ると、やってくる眠気に身を任せた。



































くぅ~っ!司、カッコいいっ(≧∀≦)
未来のつくしちゃん、どうよどうよ?
こんなにいい男を忘れたとは言わせませんよ~!



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おはようございます。

司くん戻ってくる時間が少し遅かった!!(>_<)
写真は撮られた後。
取られた直後ならまだ写真を回収できたかもしれないですよね。
貼りだされてしまいましたね!!

あの時はつくしちゃんのこと最初から信じてあげることができなかったけど、今度は最初から信じてあげれますもんね!
これだけでもあの時よりもつくしちゃんの気持ちが大きく変わることは間違いないですよね!

あの時は未来の旦那になるなんて言葉は出てこなかったけど、今はすんなりとその言葉が出てきました。

眠った司くん。
起きた時は今の場所に戻ってきているのかな?
この時の言動が今の場所でつくしちゃんにどんな変化をもたらしているのでしょうね!?
あ~私も早くつくしちゃんに会いたいです!!


  • |2019.09.05(Thu)
  • |スリーシスターズ
  • |URL
  • EDIT

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コメントありがとうございます(*^^*)


スリーシスターズ様

おはようございます!

信じて欲しい人に信用して貰えるって
嬉しいですよね(///ω///)♪

少しでも未来を変えたいと
頑張ってくれてます❤️

どれだけ彼女のココロに響いたかは
わかりませんがきっと良くなっているはずっ!!


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